ルサチマ

幸運の星のルサチマのレビュー・感想・評価

幸運の星(1929年製作の映画)
5.0
2回目 2019年9月20日 @シネマヴェーラ渋谷

映画史の記念碑的な奇跡が起こってる。
映画は高低差運動さえあれば良いという古典的な演出の基礎が詰め込まれている。
青年から受けた身体を磨く仕草を弟たちへと繋げる愛おしさ。
テーブルで食事をする映画は数あれどこの映画以上に魅力的な食卓の囲み方を俺は知らない。外と内へと橋渡しするあの直方体を、青年の背中から撮ることであの刹那的な喜びとその後の運命を悟る儚さを同時に映してることの離れ業です。


1回目 2018年12月1日

なんかもう嬉しすぎて本当に映画観てて良かったと思った。
カメラに映る全てが美しい。ラストで舞う雪は奇跡の域。
ティムからメアリーにプレゼントしたレコードはティムに星の如く光を与え、回る。
車椅子で家の中を動き回ることしかできなかったティムが松葉杖を手に外に足を踏み出した瞬間「クララが立った!」どころの騒ぎではない感動で拍手したくなった。
車椅子により見上げることしかできない作られた高低差を破壊するための少女へ椅子を渡す行為と最後の最後に立ち上がる立派な足。
この映画の全てを独占したい。
ルサチマ

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