Dantalian

阿賀に生きるのDantalianのレビュー・感想・評価

阿賀に生きる(1992年製作の映画)
4.6
新潟弁が分からなすぎて結局ほぼナレーションしか聞き取れていないが、おばあちゃんがお爺ちゃんに「箸を鍋に突っ込んじゃダメ、バーカ」とお説教する場面が愛おしいだけに、その直後に映った曲がっていて震える指が一層強烈に見えた。

二人の口喧嘩の内容は何もわからなかったけどとにかく愛し合ってるなーというのは伝わった…おばあちゃん可愛い…
しかしその家族と日常生活に対する愛と情熱には、もちろん病気と障害が常に伴っている。それらが、すでに彼らの日常の一部になっているわけだ。
→じゃんそれを平気で受け入れるの?

車の中、何事もないように「自分の指も曲がってきたな」と独り言している女性。演技では表現できない衝撃。
彼らには、知識人たちが訴える国家と資本の暴力とはどういうことなのか、が知らないかもしれない。しかし彼らの生そのものは、あらゆる言葉よりも強い力を持っている。

村人たちの昭和電工に対する複雑な気持ちは、あらゆる支配者と被支配者の間に見られる精神構造でもある。ナチスがドイツであれほど障害なく民衆にすんなりと受け入れられたのと同じく、権力は強いからこそ、それ自体に正当性があるように人々は思ってしまう。だから被害者になっても声を上げるのをやめ、正当で輝かしい権力を損なわないように息を潜める。

女と母性愛の話が気になったけど何も聞き取れなかった…魚の話だったの??
川船職人の遠藤さんの曲がった腰

船造り、漁業→川沿いで生きる人々の生活そのもの→汚染が壊したのは人々の健康だけではない。生き方、今までの存在価値、存在した証も。

心臓麻痺による急死、老いが原因かもしれない聴覚衰退。本当は何が原因なのかがわからない。
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