ジャケットのフォント、長体、斜体具合からして漂う初期平成臭と奥山和由臭(キライじゃない)。昔、水野晴郎時代の金曜ロードショーでやってた。晴郎曰く、「ハリウッド映画に負けないアクション映画」というような謳い文句だったと思う。記憶にあるのは無駄なカーチェイスと荻野目慶子が車の中で胸をはだけるシーン。
ショーケン、石橋蓮司、千葉真一のおじトリオと木村一八、荻野目慶子のガキコンビ。原田芳雄の怪演。靴職人の安岡力也。貧乏組長の八名信夫。樹木希林の「本名は…」のシーンが一番震えるかもしれない。あと、恩田快人がミュージシャン役、YUKIがエキストラで出てて、なんやかんやあってジュディマリ結成したとかなんとか。
ストーリーはと言えば、とにかく金の奪い合い。わかりやすい。最初から最後までフルスロットル。ショーケンでも木村一八でもなく、「あたしを見ろー!」の荻野目慶子の映画でもある。マシンガン持ってなんで「ロックンロール!」なのかはわからんが。
パトカーの数を水増ししたくて地面に水を撒いて、反射でランプの数を倍増させた話好き。『広島死闘篇』で16mmフィルム使った深作欣二らしい(しったか)。
とにかく金はかけたが興行的には大失敗。その理由もよくわかる。でも私はこの平成初期の映画の雰囲気にとてつもなく哀愁を感じるのである。こーゆーの見れるからU-NEXTはやめられない。