shibamike

いつかギラギラする日のshibamikeのネタバレレビュー・内容・結末

いつかギラギラする日(1992年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

映画や小説の冒頭で偉人の金言や名文を載せる作品がある。気取った印象を受け、自分の中で明暗がはっきり分かれるが、自分的に本作は「暗」だった。

この映画、ポスターはマジでカッコいい。真っ黒いポスターのヤツ。普通に欲しい。そもそもタイトルがイカす。

ショーケンはカッコ良かったし、木村一八のハイテンションヤンキーも荻野目慶子のメンヘラビッチも自分は好きだった。が、話があまり面白くなかった。終盤のカーチェイスは長過ぎて飽きたし、より過激により過激に、となっているのは分かるが、しつこいとしか思わなかった。木村一八が死んだ後にショーケンと警官との対決があり、思わず「まだあんの?」とゲンナリしてしまった。

女学生が乗るバスのハイジャックもあるし、派手なドンパチもあるし、出し惜しみ感は一切ない。むしろ出し過ぎ感で辟易した。鉄砲あんだけ撃ってショーケンが死なないってどうなってんだ!

全体的につまらなかったが、面白いと思う部分もあった。しかし何となく自分の性格の悪さが出た面白がり方だ。以下に列挙。
多岐川裕美の唐突カッター、靴屋が力也、ショーケンが乗る4WDの異常なまでの頑丈さ(あんだけ頑丈だとメーカー側にも問題ある)、全体的な原田芳雄の無駄遣い、荻野目慶子の致命傷が原田芳雄のノールック銃撃、とかがフフフッと笑ってしまった。

本作ではやたらとロックミュージックが登場する。実在したヘヴィメタバンド「JACKS'N'JOKER」(ガンズっぽいな)のライブシーンを映したりする。このバンドのことは知らなかったが、ジュディマリの恩田快人が所属していたバンドらしい。ライブに来ているファンは美人が多く、「冗談じゃないよ!」と思った。モロにヘヴィメタな感じのルックス・音楽のバンドで、自分が勝手に想像する深作欣二っぽくないのだが、氏の懐の深さには舌を巻くばかり。

荻野目慶子と木村一八の関係性はボニーとクライド、ジョンとヨーコ、シドアンドナンシーなんかの破滅型カップルを思わせる。荻野目慶子が人混みで赤い風船持ってるシーンは、本当に仁義なき戦いを撮った人の作品か?と目を疑った。シノフトコロノフカサニハシタヲマクバカリ。

爆発ドーン!炎ボー!鉄砲バンバンバンバン!個人の内省的思考ポワワワーン!みたいなどれもこれも下品に派手でケバケバシく見えて、顔をしかめた自分。エンディングの「ラストダンスは私に」は聞き惚れた。
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