KnightsofOdessa

極北の怪異/極北のナヌークのKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

3.0
No.15[結構嘘くさいけど、言いたいことは届いたよ] 60点

今年の9月に「モアナ」をやるらしいのでその応援企画。フラハティはドキュメンタリーの父と呼ばれているらしいが、処女作の本作品は”真実”と呼ぶにはかなり嘘くさい。イヌイットの本当の生活と当時の”文明人”が見たいものの折半として出来たと考えて差し支えないだろう。

カナダ北部のツンドラ地帯に暮らすナヌーク一家の生活、セイウチ・アザラシ漁やイグルーの作り方などを淡々と映し出しているのだが、どうも記録というより見世物的な気がする。主題も”こんな奴らいるんだぜ”的な感じが読み取れるので、流石は白人の傲慢といったところか。

この頃のカメラはデカく重いのが主流で、基本はスタジオでのセット撮影だったことを考えると、この時代に外で(しかも極寒の地で)自然光で撮影してる(のかよく知らないが)のには感服。後にデスヴァレーロケで死者まで出したシュトロハイムも本作品を見たことだろう。でも、カメラがイグルーの中に入るとは思えんな。

結論、いつものドキュメンタリー嫌いからなのか特に響くことはなかったが、白黒だと雪景色も映えるから及第点ではある。フラハティが「モアナ」の頃には成長していることを祈っている。
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