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極北の怪異/極北のナヌークのMinCのレビュー・感想・評価

4.1
カナダ北部イヌイットのナヌーク一家の極限の地での暮らしを追った作品。
ドキュメンタリーの元祖と言われているそうだ。

ナイフ1本、1時間ほどでイグルー(イヌイットの住居)作れるし(灯り取り窓もある)、アザラシどころか2tのセイウチも力を合わせて捕獲捕食、鮭はモリでひと突きで仕留めトドメは頭をガブリ。犬橇犬達の獰猛そうな面構えは野良猫の比ではないレヴェル。
「極北の怪異」のタイトルは違和感があるけれど、公開当時は「怪異」として驚愕とともに受け止められたのだろう。
然程大きくないカヌーから一家全員+仔犬まで出てくるオープニングは本当なのかどうかはともかく微笑ましい。
セイウチ仕留めて即座にナイフで切り取り口にする、ナイフ舐める。お腹減ってたんだね泣(モノクロームでよかった…カラーだったら…)
でも、最初のナレーションで悲しい事実が明かにされてしまうので、見てる間ずっとそのことが頭から離れない。
白人との交易だって、うまいこと騙されて不利な取り引きしてたんじゃないかとか邪推も止まらない。
これが「ドキュメンタリー」なのか、そもそも「ドキュメンタリー」の定義がどこにあるのか?はさておき、
それでもこのような貴重な映像を、おそらくかなりの危険をおかして撮影し遺してくれたフラハティには感謝しかない。

北の大地は厳しい。
生きてく根源をみた。
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