GreenT

コンフェッションのGreenTのレビュー・感想・評価

コンフェッション(2002年製作の映画)
3.0
1960年代初頭、女の子のケツを追いかけ回すか酔っ払ってケンカするかだったチャック・バリスは、「これからはTVの時代」とTV業界に潜り込む。のちにThe Dating Gameという素人参加型の番組を考え出し、これが大当たりする。

この “The Dating Game” って、昔日本でやってた『パンチDEデート』のネタ元?

ひと目会ったその日から〜
恋の花咲くこともある・・・
見知らぬ貴女と 
見知らぬ貴男に 
デートを取り持つ 
パンチDEデート!

懐かし〜(笑)

それはどーでもいいんですが、このThe Dating Game のシーンで、3人の男性候補者役でブラピとマット・デーモンがカメオ出演している。壁の仕切りがあって女の子は男の候補者たちが見えないので、質疑応答が一番良かった、3人目の一番ブサイクなヤツを選び、ご対面してからめっちゃ冷たくなる(笑)

チャック・バリスはこの後も The Newlywed Game と言うヒット番組を作るのだが、これもそのまんま『新婚さんいらっしゃい!』の元ネタだと思う!!

これの懐かしのシーンで、「奇妙だと思う場所はどこですか?」と訊かれた花嫁が、やたらと答えづらそうにもじもじしていて、「?」って思っていたらやっと出てきた答えが「うーん・・・お尻の穴?」って答えて、会場が大爆笑になる。この逸話は「伝説」と言われていたけれど、この映画で流れるこのシーンはホンモノらしい。『新婚さんいらっしゃい』も素人さんの素朴なリアクションが面白かったもんね〜。

なーんてコメディ映画かと思ったら、チャック・バリスは「アメリカのTVのインテリジェンスを著しく低下させた」と言われるくらいの下らない番組を作っている裏で、実はCIA の殺し屋をやっていたという話になって来る。

CIA がバーで飲んでるチャック・バリスに、「殺し屋にならないか?」ってリクルートしてくるってのが「ありえない!」と思ったけど、この頃のCIA なんて、このくらいヤクザな感じだったのかもな〜と思えないこともない。

チャックは The Dating Show の出演者に上げる賞品である「海外旅行プレゼント」の行き先を殺しに行かなくちゃならない国に設定して、「付添人」として出演者と一緒にその国に行き、殺しを行うという、嘘みたいな話になってくる。

これ、原作は実在のチャック・バリスが書いた同名自伝で、その中で自分はCIA の殺し屋だったと言っていて、物議をかもしたらしい。

これを脚本にしたチャーリー・カウフマンは、監督したジョージ・クルーニーが自分の書いたことを大幅に変えた、と映画の出来が気に入らないらしい。

どこがとはハッキリわからないんだけど、ドラッグやってたってことが全く描かれないので、そこが削られたのかなって思った。映画ではチャックが後年ボロボロになるのは、CIA で殺し屋やってたために自分も暗殺されるという妄想癖がひどくなっていくって設定になっているので、ドラッグのせいで妄想癖があったって思われたくなかったのかなあ?

原作を書いたチャック・バリスが制作に深く関わっていたみたいなので、自分に都合悪いことはカットしたのかも(笑)

いずれにしろ、映画としては「?」って感じでした。「頭おかしい人の狂気が笑える」みたいなサイコ・ブラック・コメディみたいな感じなんだろうけど、今一つはっちゃけない、ぐっと抑えちゃってる感じがする。

『オーシャンズ11』とか『バーン・アフター・リーディング』とか、ジョジクルが監督したわけではないけど、どーもこの人の映画って今ひとつはっちゃけない感じが共通してある。なんだろ、映画内では派手に色々なことが起こっているんだけど、観ている私は全く微動だにしないでじーっと画面を眺めているだけ、というか。『マイレージ・マイライフ』だけは、そういう抑えたところが逆に良い方に働いて面白かったけど。

チャック・バリス役のサム・ロックウェルはすごい好演していたし、この人のお尻がやたらと見られるところは良かった。あと、チャックの彼女を演じるドリュー・バリモアもすごい自然でいい感じだった。CIA のリクルーターを演じるジョジクルと、同じくCIA?のジュリア・ロバーツは2人とも、「つまらない役者だなあ〜」と感じさせられた。

ジョジクルって、『ER』っていうTVシリーズですっごい人気出たのは知ってたけど、その後映画で「これ」っていう代表作ってあったっけ?なんかそんな大騒ぎするほどの役者さんじゃないと思うんだけどなあ。

ジュリア・ロバーツも『プリティ・ウーマン』以降、全然記憶にない。

まだ若々しいマギー・ジレンホールがチョイ役で出ているし、ルドガー・ハウアーの名前をエンドロールで見つけて「え!あのブレード・ランナーの人出てたんだ!」って思った。今観るとオールスターな配役を楽しみたいときにはいいかも。
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