このレビューはネタバレを含みます
【 東京で笑おう 】
オカンへの愛を深める名作。ここだけの話、泣いた。次々と登場する豪華ゲストも見逃せない。
「マザコン」という言葉が一時期流行った。ボクはかねてより、全員がその対象であると思っている。それを見せるか、見せていないかの違いだけであると思うし、それが生物的な本能だ。
オダギリジョーさん演じる“ボク”は、分かりやすいほどに前者であった。オカンをとにかく愛していた。その姿を観た率直な感想は、温かくて優しかった。それでいいと思うし、それがいいと思う。
癌や抗がん剤が心底憎くなる。観ていて、苦しくて辛かった。
オカンは言った。「自分の身体のことは自分が一番よく分かっている」。なるほど、踊ったのも、東京に来たのも、抗がん剤をやめたのも、ぜんぶ正解だった。
楽で幸せな道を歩めばいい。自分が生きたいように生きればいい。人生は、楽しくておもしろいものだから。