朝倉

東京タワー オカンとボクと、時々、オトンの朝倉のレビュー・感想・評価

3.8
自分を犠牲にして人のために生きること、それを教えてくれる作品。
それと同時に、家族と住まいの話、がん治療との向き合い方の話でもあると思う。

幼い頃にテレビの再放送で見て、なんだか苦しくてもう見たくないと嫌な記憶で止まっていたため、もう一度見直すことにした。
確かに苦しかった。けどそれ以上に、幸福に満たされた。
母親と自分、父親と自分、母親と父親と自分、自分と子ども、自分と妻・夫。それぞれの関係性の違いによって愛の形も異なるが、この作品には全ての関係に一貫として愛情があった。登場人物全員が、人へ愛情を持った暖かな人間であったために、苦しさを超える幸せを、観ていて感じたのだと思う。

田舎から東京に上京して来た人、

慣れ親しんだ場所や環境から離れて頑張る人、

親孝行しないとなって考え始めている人、

家族との接し方を改めたいけどどう踏み出せばいいか悩んでいる人、

何のために働けばいいのか分からない人、

全ての人が「オカン、ぼく、オトン」のどれかに当てはめて、自分を見つめ直すと思う。そして、それぞれが抱える不安に救いをもたらし、今を頑張って生きる勇気を与えてくれる。

「親孝行に早いも遅いも、何をしたらすごいもない。愛と感謝を伝えるだけで充分。」
朝倉

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