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ノートルダムの鐘のkanaco4月末までお休み中のレビュー・感想・評価

ノートルダムの鐘(1996年製作の映画)
3.9
1996年公開のディズニー長編アニメ映画。文豪ユゴー原作、アラン・メンケン音楽、吹替劇団四季というミュージカルとしてバチバチの布陣。中世フランスのノートルダム大聖堂で鐘撞き男として育った男『カジモド』の成長と恋愛を描いたストーリー。ディズニーらしからぬ重さとシリアスを持つ大人びた作品😀✨(140文字)

****以下ネタバレあり&乱雑文****

◆あらすじ◆
15世紀末のパリ。ジプシー狩りに強い執念を燃やす判事フロローはジプシーの女性を殺害し、彼女が抱えていた醜い顔の赤子を井戸へ捨てようとした。しかしその一部始終を見ていたノートルダム大聖堂の司祭に罪を咎められ、その償いとして赤子を引き取る。フロローはその子供を「出来損ない」という意味の“カジモド”と名付けて塔に閉じ込め外の世界と隔離して育てた。20年後、ノートルダム大聖堂の鐘衝き男となったカジモドは自由になることを夢見る優しい青年へと成長した。そして〈道化の祭り〉の日。ジプシーの美しい踊り子エスメラルダとの出会いが彼の運命を大きく変えていく。

❶文豪ヴィクトル・ユゴー原作、アラン・メンケン音楽の「顔の醜い鐘撞き男の物語」

1996年公開のディズニーの長編アニメーション映画。文豪ヴィクトル・ユゴーが原作、アラン・メンケンが音楽というバチバチの布陣。中世フランスのノートルダム大聖堂で鐘撞き男として育った男『カジモド』の成長と恋愛を描いたストーリー。

原作では悲劇で終わるシーンをディズニーらしくハッピーエンドに書き換えているものの、それであってもディズニーらしからぬ重さとシリアスを持った大人びた作品であり、異色な立ち位置にいるイメージ🤔醜い顔の主人公に、可愛いというよりは大人なセクシータイプのヒロイン、人間的な恐ろしさが強調された老人のヴィランに、宗教エリアを舞台に迫害、人種差別をテーマとした内容…。そりゃ子供には受けないだろうな、と思わずにはいられない大人向け路線の作品です。

本作のヒロインであるジプシーの踊り子エスメラルダは本当に魅力的。美しくて優しくて強く機転が回る、主人公を明朗に引っ張ってくれるお姉さんタイプのヒロイン。自由を愛し戦うヒロインである彼女は当時のディズニーヒロインの中では珍しいタイプでは。私の好きなヒロインの三本指に入ります😄💕

❷『ノートルダムの鐘』の楽曲が大好き!特に1曲目はいつも惹きこまれます。

私が『ノートルダムの鐘』と初めて触れ合ったのは劇団四季のミュージカル『ノートルダムの鐘』から。一番初めの曲【ノートルダムの鐘】の荘厳な雰囲気と迫力に圧倒されて虜になり、今のところ劇団四季の作品群の中では唯一2回見に行っています。

本映画の日本語吹き替えは、当時の劇団四季所属の舞台俳優が声を担当。ディズニーのミュージカルアニメ映画は多数ありますが、中でも群を抜いた高い歌唱力と演技力が非常に魅力的です。狂言回しのクロパンから始まる一番初めの曲はもちろんこちらも【ノートルダムの鐘】。アニメならではの描き方で物語を惹きつけます。カジモドの【僕の願い】エスメラルダの【ゴッド・ヘルプ】フロローの【罪の炎】の良いですが、見た人皆をトラウマにさせるシーンの助走曲【トプシー・ターヴィー】は、アニメだからかミュージカルよりもその後の展開のエグさが強いです…😥

❸ディズニーでも屈指の残酷なヴィラン・最高裁判事フロロー

ディズニーヴィランは初めから〈魔の存在〉で悪の美学を持つものや、〈人間〉であっても悪事に対して物おじせず、自分の欲と目的のために他人の事を意に介さないというような、〈悪〉を自覚しながらそれを堂々と行使、または正当化するキャラクターが基本です。そこに愛嬌やコミカルさも加えられており、恐ろしい存在ながらどこか親しみやすさやカッコ良さを持ち合わせたキャラクターデザイン・設定となっています。

そんな中、本作の最高裁判事フロローは自分が正義だと信じて疑わないという、自分がヴィランであることを全く自覚していない珍しい〈人間〉の悪役です。ファンタジーを背景に持たず、その代わりに高い階級と強い権力を持っており、強固な差別主義者でジプシーを目の敵にして迫害に余念がありません。そこに老人の恋愛感情も拗らせて、数名の排除のためなら何のためらいもなくパリの街を焼き払うような過激な性質を持ち合わせています。

ディズニー『ノートルダムの鐘』はお話もシリアスですがヴィランも異色。〈人間〉でありながらも「人間の弱さや恐ろしさ」を具現化するようなフロローはディズニーの悪役の中でもトップクラスに恐ろしい男である気がしています。

🔔🐝「パリの街並みは美しいし楽曲はとても素敵。でも、ラストを改変までしているのに、物語の性質上、見ていてあんまりワクワクキラキラしないのですよね~ディズニーなのに(笑)でもその分印象には残る作品だし心に響きます…。さて、本当の怪物はだぁれ?

アニメ映画と劇団四季のどっちが好きかというと‥‥私は劇団四季の方(これだけ書いといて(笑)でもアニメの方ももちろん素敵です)今日から東京公演が開始らしいです~。いいな~またみたーい!」