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ノートルダムの鐘のdeenityのレビュー・感想・評価

ノートルダムの鐘(1996年製作の映画)
3.0
ディズニー作品でありながら目立った登場人物もおらず、今まで鑑賞してなかった作品です。普通ディズニーのイメージとしては何かしら注目されるようなキャラクターがいて、言わば華があるわけですが、この作品にはありません。原作はユゴーとか辺りだそうですし、宗教観を感じる場面もあったりして、正直地味です。万人受けするディズニーのイメージとはわりとかけ離れた作品であるように思います。

でも地味な分、ディズニーらしくないメッセージ性は比較的強く感じます。主人公のカジモドは生まれつき醜い容姿を持って生まれ、ずっとノートルダムの鐘楼で一人寂しく生きてきました。
寂しさという表現はディズニーにおいて短絡的に描かれはしませんね。石像や鐘が友達という要素で婉曲的に表現します。
見た人からは『ラプンツェル』みたいな設定だと言われましたが、自分は『エレファント・マン』的な重い設定と受け止めました。
だって婉曲的なはずのディズニーがどストレートに差別を表現するシーンがあるのだから。これはディズニー作品としては驚きました。
でもそれだけ差別されてきたカジモドを救う存在としてエスメラルダがいて、正直今までのどのヒロインよりも魅力的に感じます。その優しさ、妖艶さ、正直さ、どれも魅力の一つです。

ただね、この作品が一つやらかしたのはこの作品をイケメン兵士との恋合戦にしてしまったこと。
マジでいらん設定です。結局ブ男は恋の成就は望んでいないみたいにとられてもおかしくはないでしょう。
カジモドの好きな人のために体を張って守ろうとする姿勢。素晴らしいじゃないですか。別にフィーバスが悪い奴なわけではないんです。最後はカジモドと親友にもなりますし。でもそうじゃなくて、どうしてカジモドの前で二人の恋模様を見守らねばならんのですか。結局この世は顔ですか。ブ男は夢を見てはいけないのですか。友達がいっぱい、が精々良い所なんでしょうか。ディズニーが描くファンタジーな世界くらい夢を見たかった。
昨今のディズニーはすごく社会的で現実的なテーマをはらんでいますが、実はこの当時からだったのかもしれませんね。