あおい

ノートルダムの鐘のあおいのレビュー・感想・評価

ノートルダムの鐘(1996年製作の映画)
3.4
あの鐘を鳴らしてよ
運命を超える狭間まで…

ディズニーとしては珍しい主人公、テーマの作品。素直に喜べないハッピーエンドではあるが、何だかんだ無難に収まっている印象。

◎ストーリー
ある晩、赤ん坊を抱えたジプシーを追い詰める判事がいた。風紀を乱す彼らを取り締まり、子どもにまで手を掛けようとした判事だったが、ある啓示を受け赤ん坊だけは匿うことにする。しかしその子供は背虫でとても醜い容姿のため、ノートルダムの鐘つきとして外に出ることを許されず大人になっていた…

主人公のカジモドは、今は使ってはいけない言葉・ジプシーの息子であるという設定。社会的マイノリティの血筋という重荷を背負っています。さらには容姿にも問題があるという。ここまでかというくらい気の毒な設定。また傲慢な判事に幽閉されている。同情を誘うのにはもってこいです。

そんな境遇の中、外の世界に憧れを抱いて抜け出す。そして、ジプシーのエスメラルダに恋をする。本当に受け入れやすい定番の展開です。しかしながら、カジモドが100%報われるわけではない。エスメラルダへの想いは叶わないのかもしれない。しかし、町を苦しめる悪い判事をやっつけられるのはカジモドしかいない。

光の当たるヒーローにはなれないかもしれないけど、愛する者への無償の愛。しかもその多くは自分の境遇のため叶わない。マイノリティにスポットを当て、広くその理解を得ることが、良いことなのか悪いことなのか?そもそも理解など得ることはできるのか?

私は深読みなどせず楽しめますが、考えれば考えるほどドツボにはまってしまう作品でもあると思います。

ただカジモドは、やはり主人公。類まれな身体能力を持ち合わせています( ^ω^ )もはやふつうにかっこいいです。あとは、作品としてはミュージカル多めで、さすが制作が劇団四季です( ^ω^ )

多分やけど、今よりも障害や病気が明らかになってない頃は、カジモドみたいな人はたくさんいたんでしょうね。
あおい

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