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瀬戸内少年野球団のQIのレビュー・感想・評価

瀬戸内少年野球団(1984年製作の映画)
3.8
今日は夏目雅子さんの命日。

1985年の今日、白血病の抗ガン治療の副作用が原因で27歳の若さでこの世を去りました。

『ひまわり』のソフィア・ローレンに憧れて女優になった彼女の女優人生はわずか9年。

その間、多くの映画、テレビ、舞台で活躍しましたが、スクリーンでの彼女がいちばん輝いていたと思います。

自分にとって『魚影の群れ』『時代屋の女房』そして本作が出演映画BEST3。

残念ながら本作品が映画での遺作となってしまいました。

時代は終戦直後。

彼女は瀬戸内海のとある島の国民学校の女先生。

戦死した(と思っていた)夫はかつての甲子園球児。

進駐軍とともに次々とアメリカの文化が押し寄せ、島の子どもたちはこの先自分たちはどうなるのだろうと右往左往。

とあることがきっかけで皆で野球をすることに。

そして進駐軍チームと試合の日を迎えます。

はたして結果は…

『二十四の瞳』と『がんばれベアーズ』へのオマージュに満ち溢れた作品です。

「わたしたち、野球やりましょう!」

子供たちに向かって意を決したように呼びかける彼女の凛とした表情とその姿が目に焼き付いて離れません。

さらにそこに流れるグレン・ミラーの♪IN THE MOODに気持ちが高まります。

夫役は当時29歳の郷ひろみ。

そして郷ひろみの弟役は本作品が映画デビュー作となった当時25歳の渡辺謙。

『みじかくも美しく燃え』というタイトルの映画がありましたが、彼女は今でも自分の中で“美しく燃え”続けています。

R.I.P.

p.s.
もう一つの9.11.も忘れてはいけませんね。
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