おーたむ

ヒートのおーたむのレビュー・感想・評価

ヒート(1995年製作の映画)
4.6
ロバート・デ・ニーロ&アル・パチーノのキャスティングというだけで、いつか見たいと思ってた作品。
面白かったです。

上映時間を見てずいぶん長いなと思いましたが、それもそのはず、サブプロットがやたら多く、序盤は話がそこかしこに移動します。
本筋に関係あるとは思えない、出所したばかりの黒人のエピソードとかまで出てくるんで、そりゃ長くなるよな、と。
ただ、そうした複数の話が収束していき、かつ、それぞれの話がそれぞれのクライマックスを迎える終盤の畳み掛け具合は凄まじく、長尺に見合うだけの満足感をもたらしてくれていたと思います。
メインのストーリーである警察と犯罪グループの対立軸(すなわち本作の二人の主人公の対立軸)も、頭脳戦に銃撃戦と、高いテンションを維持したまま進んでいくので、三時間弱、まったく飽きずに見終えることができました。

そして、言わずもがなの主演二人。
下手すれば散らばっていきかねないストーリーを、抜群の存在感でまとめていくあたり、この作品はこの二人を必要としていたのだと思わずにはいられません。
愛ではなく、自身の持つルールや正義に従って生きるがゆえに孤独な二人が、一瞬だけ心を通わせるあの場面には、グッと来るものがありました。
てゆーか、単にパチーノとデ・ニーロが向かい合って喋ってるっていうだけで胸アツです。ありがとうございました。

こういう夢の共演が、ただそれだけで話題になるのではなく、ちゃんと面白い作品になってて、良かったです。
男の矜持のぶつかり合いが放つ熱に、見ているこちらも熱くなるような、そんな映画でした。
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