よねっきー

ヒートのよねっきーのレビュー・感想・評価

ヒート(1995年製作の映画)
4.5
1番好きな映画を尋ねたときに『ヒート』です、なんて答えてくる男はアホだ。三度の飯より男のロマンってのが大好きで、3人の美女よりアル・パチーノとロバート・デ・ニーロが大好きな大アホだ。女はそういうアホな男と付き合うべきではない。人生が勿体無い。だけど、男はそういうアホな男とこそ付き合うべきだ。彼らは大変信頼のおけるアホだからだ。

この映画ったらメッセージ性もクソもなくて、ただ男たちの生き様と死に様を愛でるだけである。市街地に鳴り響くマシンガンの轟音と、巨悪を追いかけて疾走するアル・パチーノに心を躍らせるだけだ。おじさん2人が一緒にお茶するシーンとかもう、下手なラブストーリーよりキュンキュンしちゃったわ。よくあんなシーン入れるよな。

登場人物たちの内面をじっくり丁寧に描くことで、正義も悪も全員まとめて同じ舞台に立たせちゃうのは見事としか言いようのない技。これだけでひとりひとりの死亡シーンが分厚い意味を持ってくるからすごい。

ただ、長い映画の割に無駄なシーンが多かったのは気になった。ナタリー・ポートマンは超可愛いけど全然要らなくないか??超可愛いのに全然本筋に絡んで来ないじゃん。超可愛いけど彼女がいない方がストーリーがスマートになったと思う。超可愛いけどね。

あと女性キャラの描かれ方が全員雑で、ちょっと怖い。アル・パチーノは良いとして、他の男はクソ犯罪者ばかりなのに、みんな結局相手の女性に愛されてるのは、ちょっと余りにご都合主義じゃありませんか?ご都合主義は誠実なドラマ映画をポルノ映画にしちゃうよ。

まあ、こんなん初めからポルノかもしんないけどね。良くも悪くも、男の子の男の子による男の子のための映画だ。
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