ぺん

オリーブの林をぬけてのぺんのレビュー・感想・評価

オリーブの林をぬけて(1994年製作の映画)
4.2
ジグザグ道三部作の完結編🚶‍♀️
映画撮影の裏側を通して描かれる大人の面倒くさいところ。
言葉も文化も時代も違うが、よりミニマムでリアルな人間関係も垣間見えて共感を誘う。

ホセインの一途な愛情押し付けの鬱陶しさときたらwなんでそんなこと言うの?って思うような彼のキツい面も感じるが真剣さは伝わる。
真剣さだけはね…
対するタヘルの徹底した素っ気なさが面白くて仕方ない。
そしてホセインが気の毒でもあり、ひたすら滑稽でもある。映画なのに映画のようにはうまくいかない。
「さん」を付けて呼べないのは彼女なりの意地なのか、なんだろうか。

見慣れたジグザグ坂道を登り下り、白緑のオリーブ林を抜けていくラストは三作目も幻想的。
果てしなく感じるロングショットから、まるで豆粒みたいに遠くなり、向かい合う二人の様子。
何度も反復し、一方通行だった関係の終わりが来る。
表情もセリフも窺い知れないが…その結末は?
観る側によってそれぞれの想像が浮かぶだろうな。
走って引き返してくるホセインが途中ですっ転ぶのがなんだか憎めなくて良い。
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