1930年代、北アフリカの仏領事館に赴任したジュリアンが、レセプションで出会った美貌の人妻クロチルドと出会い、ヘカテ(夜,魔術,妖怪の支配者とされるギリシャ神話の女神)のようなその魔力の虜になり、仕事も放棄して情事に耽るお話・・・
ジュリアンの上司ヴォーダブルが「ここは地の果て。仕事はまったくない。」と言う通り、秘書のおばさんが渡す書類に目を通してサインする程度ですが、クロチルドの虜になったジュリアンはまず2日間、次は8日間も仕事場に出てこない状態に(ほぼ彼女とベッドの上か、食事・映画・アラブ人街を彷徨ったり)。
私の心を奪った女。理想の女。
友達にして愛人。恋人にして情婦。貴婦人にして娼婦。という見事な調和。と語るジュリアン。
何やら秘密のありそうなクロチルドにますますのめり込んでいき、“ヘカテー犬を餌とする地獄の女神。彼女もまた少年を貪っていた。”という彼女の秘密を知ることになる。
ある事件を機にジュリアンは送還されることになる。
「愛してるよ。」
「言葉はいつも早すぎるか遅すぎるかなのね。」
彼女と別れ北京へ赴任して3年後、彼は赴任地シベリアへ向かう・・
ジュリアン(ベルナール・ジロドー)が白スーツに身を包むいかにもキザ&女好きそうな男なのが気に入らないのと、アメリカ人・クロチルド(ローレン・ハットン)に個人的にはファム・ファタール感を今ひとつ感じなかったのですが、部屋の欄干での情事のシーンはエロティックでしたね。
デジタルリマスターの方を観てみたいです。