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トリコロール/青の愛のRyuのレビュー・感想・評価

トリコロール/青の愛(1993年製作の映画)
3.5
作曲家の夫と娘を交通事故で亡くしたジュリー。自身も重傷を負った彼女は退院後に屋敷や家財道具、そして夫が遺した未完の楽譜を処分する。そしてある夜、夫の同僚であったオリヴィエと一夜を共にする。

トリコロール3部作の第1作目🇫🇷
今作では“自由”がテーマとなっております。
いや〜、中々難しかったですね。自分は感受性が皆無なため、おフランス映画は得意ではないのですが、今作もちょっと分かりにくかったです。
主人公が感情を全然表に出さないので、余計に分かりにくかったです。痛々しさを感じる行動はちょいちょい見受けられたので、表情のわりにはやはりけっこう弱っていたのかなと思います。
愛する家族を失って弱っているってのに、追い討ちをかけるように夫の愛人の存在が明らかになります。ここでもジュリーは感情的になることはなく、その愛人に会いに行きます。そこでの態度も非常に冷静で責めることもなく、ジュリーの寛容さを物語っていたと思います。
タイトル通りの青を上手いこと使っていて、光や暗闇とのコントラストも非常に美しかったです。
今や、アカデミー賞と世界三大映画祭の全てで女優賞を獲得している ジュリエット・ビノシュの演技は流石ですね。感情を抑えてるけど、感情がないわけではない。この絶妙なバランスがスゴいです。冷静で寛容的なキャラクターもビノシュの凛とした美しさとマッチしていたと思います。
内容ははっきり言ってよく分かりませんでしたが、演技・映像・音楽が秀逸でした。芸術のげの字も分からない自分ですが、それでも芸術性が高いなぁと思わせるほどの美しさを持った作品だと思いました。
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