ジュリエットビノシュ超美しい。
突然の事故で愛しい人達を亡くし、独り生き残った主人公が葛藤し再生していく物語。、、という額面通りの展開には、そこはキェシロフスキ、当然ならない。
「青」のテーマは自由。ジュリエットビノシュ演じる主人公は突然の喪失を機に全てのしがらみ、縁を振り払うように生きていく。一見凛とした佇まいでありながら、ふとした切っ掛けで崩れて落ちてしまいそうな儚さ。愛にとっての自由とは一体何なんだろうか。3部作の中で、未だ自分の中では消化し切れてなく、だからこそある意味1番面白いのは「青」かも。
今時分で見ると、やはり欧州連合に捧げた協奏曲というモチーフが興味深い。
トリコロール3部作は「愛」をテーマにした個人的な物語では当然あるのだけれど、それと同時にポーランド、フランス、欧州連合の歴史観からも示唆的な作品なんだな、と改めて。勉強不足もあり、その点的確な批評にまだお目に掛かっていない。今こそ語られるべき作品なのかも。