きんぽうげ

チェンジリングのきんぽうげのネタバレレビュー・内容・結末

チェンジリング(2008年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

アンジェリーナ-ジョリーって、こういう役者なんだというのを初めて知った。クリント-イーストウッドの映画で一貫しているのが、明らかな体制批判。題材を勧善懲悪にするのに必要とされるのに、当然の相手で、常に公僕と揶揄される国であったり、警察であったりするパターンはいつも同じで、後は時代背景となるが、この物語は1920年代後半の話である。だから、現代の警察は非難される様にはなっていない。冒頭、これは実話であるというクレジットが流れるが、僕らは映画とは始めから作り物である認識の元に向かい合っているので、あまり、アッピールする事は無いように思う。端を発するのは誘拐事件が起きるのではと予想させるところまで、息子を愛して止まない母親の様子を描くところから、感情に同情を与える気持ちにある。案の定その通りになり、警察に捜査を依頼するが、すぐには動いてくれない。たまたま、ハリウッドに憧れを持つ子供が現れ、警察は好都合と、それを利用する。その子供に対して母親が違うと分かっていながらも、引き取った事によって、事件は大きく発展する事になってしまう。この立場がちょっと弱い気もするが、つまり、違うのは当然分かっているのだから、その子供を突き詰めれば答えはすぐ出たはずである。まあここら辺で、実話であるというクレジットの効果があるように思うが、ここから警察vs一市民とその仲間たち(本当に良い人々の集まりであった)が開始され、非人間的な行為とされるやり方を繰り広げつつ勧善懲悪を形成していく。まだ生きているという希望を持たせた事で、ハッピーエンドなのかなあ。見つかってしまうとリアリティに欠けると、いや、実話なのだから、どんな展開もあり得るのだけど、救いは可能性がゼロでないという部分であろう。この頃の雰囲気をアンジェリーナ-ジョリーはうまく演じていたように思う。アクション専門の人かと思っていたが、たまたま、NHKの番組で今公開中の難民映画祭で、彼女の監督作品があるのを知っていたので、今回の映画の役どころから、何か繋がるものがあったような気がした。
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