ショウコ

幸せはシャンソニア劇場からのショウコのレビュー・感想・評価

4.1
ジャケ写デザインからミュージカルのイメージありますが歌とダンスはそれほど無い。ただ終盤にめちゃくちゃ誇張された怒涛のステージパフォーマンスが出てきます💃往年の名曲がひっきりなしに流れるし女優さんはかわいいしジョン・コナーみたいな美少年はいるし色彩も構図も楽しいし…盛りだくさんで満足満足

閉鎖された劇場を再健するべく下町(faubourg)の人々が奮起する人情群像劇…ではあるんですが意外と甘っちょろくなく何人か死者も出る。また、どちらかってぇと「1936年という時代」が主役と言った方が正しいかも知れません

そもそも閉鎖するハメになったのは世界恐慌の第一波が原因で、廃墟状態が続くのも不況で買い手がつかないから。みんな仕事にあぶれ、あちこちでフランスのお家芸「ストライキ」の声が上がります✊労働運動やヒトラー、戦争の影など背景を無理なく挟んだ脚本は完成度が高く当時の考え方にも興味を引かれる。赤軍虚言男や現代で言うネット引きこもりじいちゃんなどキャラクターも面白い

一番オオーと思ったのは「ニュース映画」の文化が出てきた所。ラジオも普及してはいたけど金持ちは着飾って劇場に行き、スクリーンから時事情報を仕入れていたんですね。なんだか凄く物知りになった気分




カメラマン…一体何者だ?と調べたのは初めてかも。トム・スターンっていう人でイーストウッド作品の多くを撮ってるんだそうな。あくまで言われてみればですけど俯瞰の見せ方が「チェンジリング」っぽかった🤔

パリ夜景→劇場の屋上からネオン看板を降りてきてドアぶち抜き→満員の客席→大忙しの楽屋へ…という冒頭のワンカットでもう恍惚状態✨まるでミニチュアの街並みをちっこいカメラつまんでグィーンって走らせてるかの様です。全編にちょこまか映るオモチャじみた石畳みとか建物も本物なんですよね…。アコーディオンの音楽も相俟ってずっと夢見てるみたいでした

パリ〜♪パリ〜♪が耳から離れない!
ショウコ

ショウコ