このレビューはネタバレを含みます
私は疲れてくると目の焦点がずれてくるという視覚的な弱さを持っているため、ドキュメンタリー調の揺れる映像が苦手である。また、前半は特に上から下から内部から体液大放出という展開なので、すぐ気分が悪くなった。まず、この映像的な特徴が、ストーリーとかと関係なく減点対象になる。
本作は特にマニア系の人の評価が高いようだが、私には理解しがたい。
確かに差別対象となるのが知能の低いエイリアンというのは斬新な発想だが、ストーリーは良くあるアクション映画と同じである。
結局巨大組織に利用される形になった弱い主人公が、虐げられている子持ちで善玉的なエイリアンと協力し、ただ一人特殊能力を持つ人間となって超人的な力を手に入れ、善玉と一緒に“正当な”戦いをするものの、完全な勝利には結びつかない・・・はっきりいって、先が読めまくりの展開である。
なぜヴィガスが宇宙船の燃料が顔にかかっただけでエイリアンに変貌していくことになるのか、とんでもなく知能の低いエイリアンがどのような存在価値の元、宇宙船に乗っていたのか、武器をたくさん持って降りてきたのに武器の使い方を知らないなんて??という疑問。明らかに抜けているヴィガスになぜ妻があれほどぞっこんなのか、なぜ盗聴されていることはばればれの妻からの電話に延々と話続けるのかなど、人間界の物語に不備も多く、アイデアと勢いだけで突っ走った映画である。