囚人13号

夢を見ましょうの囚人13号のレビュー・感想・評価

夢を見ましょう(1936年製作の映画)
4.5
映画人には思いもよらぬ突拍子もないカット、構造が舞台劇そのものすぎるにも関わらず自慢の骨董品が映えるパースペクティヴとマシンガントークによってそこには天井が消失したフィルム空間が無限に広がっている。

主演ギトリ、共演レーミュとなればマックス・ランデーとジャック・タチの間に介在するフランス映画史における数少ない喜劇生産者二人がタッグを組んだ事になるが、ここは殆どギトリの独壇場。究極の一人芝居。
映像を見せず自分一人で妄想実況するギトリは狂気的エネルギーと正確さをもって観客を混乱させ、これを映像付きで丸々一本撮ると『とらんぷ譚』になる。しかしミシェル・シモンの存在感は凄いな。
囚人13号

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