ぽこたま

チョコレートのぽこたまのレビュー・感想・評価

チョコレート(2001年製作の映画)
3.7
この2人が共に生きていくには障害が多すぎる。というのが最後まで観た印象。

まずは父と息子と孫。
自分より情けのないところだけ母親にそっくりだと押し付け、時折自分を見ているようで腹が立つ。
嫌な所まで似てしまう。
でもそれが血縁だ。親子だ。家族だ。

警察官として厳格な父は、息子に男たる威厳を期待する。
ただ男は本当に愚かだ。
失って初めて気付く。
この胸の痛みや息苦しさに。
期待通りではなかったとしても、この世でたった1人の息子。
むしろ息子からしたら期待通りではなかったのは、この私の方であったと気付く。
やがて人の心を持ち始め、痛みを知ったからこそ人の痛みに寄り添い始める。

その気持ちが今の僕には凄くよく分かる。
自分に父の人生を重ね、息子に自分の人生を重ねる。
産まれてから兄弟のいない男はその背中しか見えなかった。
だからこそだろう。
もちろんそれは悪いことではない。
ただ結局は自分の行動は自分に返ってくる。
だから人の心を決して裏切るような、
心を失くさせてしまうような、
真似だけはしたくない。
今はそう思える。
むしろ反面教師になれる可能性だってあるのではないだろうか。


また驚きなのは、困っている人が道で助けを求めていたら素通りしてしまうのが珍しくないということ。
もちろん人種の違いというものもあるだろうが、これまた文化の違いなのだろうか。
ぽこたま

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