かな

天然コケッコーのかなのレビュー・感想・評価

天然コケッコー(2007年製作の映画)
5.0
幼い頃過ごした町は田舎の町だった。広島の田舎の町。幼稚園に入る頃、広島の中心部に引っ越してきた。田舎の町の澄んだ空気や青い空、だだっ広い畑が懐かしくて、夢中で見ていた。天然コケッコーの舞台は島根県の浜田市。アクアスのあるところだ。
少女漫画から抜け出してきたような夏帆ちゃんと岡田将生くん。都会っ子なはずなのに、田舎の町に不思議と馴染んでいる。方言がどこか懐かしい。初めての同級生。初めての恋。控えめな甘酸っぱさというのだろうか。どこかノスタルジックな感じがする。ただゆったりと時間が流れていくのを見ていると、不思議と泣けてくる。壁ドンも顎クイもない10年前の青春。2人になりたかったから、普段通らない道を通って(別の理由があるんだけど)、コート欲しさに中途半端なキスをする。ひとこまひとこまが懐かしくて、時間が巻き戻ったような気分になる。
くるりの言葉はさんかく こころは四角の地下鉄は走ってく 君は髪をなびかせて
きみの匂いは ずっと僕の匂いという歌詞が流れる。
かな

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