NAOKI

天然コケッコーのNAOKIのレビュー・感想・評価

天然コケッコー(2007年製作の映画)
3.7
少年は少女漫画に愕然💦

十代後半の少年…世界で一番バカな生き物の頃…
「ガキデカ」全盛、少年たちが半ケツ出して「死刑!」とか言ってるうちに少女たちはそんなガキデカたちを置き去りにして凄い勢いで大人になっていく。

この頃の男と女の差は読んでいる漫画に現れます。ファンタスティック映画祭とカンヌ映画祭の差みたいなもんですね😁

初めて出来た彼女から一冊の漫画を渡された。
「面白いよ」
少女漫画なんて目の中にお星さまキラキラみたいなイメージしか持ってなかったおれ…
大島弓子の「バナナプティングにうってつけの日」
タイトルがサリンジャーから来てることさえ知らなかった。

読んでみて愕然としました。
登場人物たちの細かい心理描写や緻密に組み上げられたストーリー…「必殺パーンチ」の少年には哲学書みたいだった。おれたちが八丈島のキョン!って叫んでる間に女の子達はこんな高級なものを読んでいやがったのか?

おれは少女漫画をバカにしたことを彼女に土下座して謝って…それから「花とゆめ」「LaLa」「別マ」と呼ばれた別冊マーガレットを彼女に借りて読むようになった。

そして少女漫画のもつ不思議な世界観にすっかりはまったのでした。

この「天然コケッコー」は原作がくらもちふさこ先生の漫画で、山下監督はそんな漫画の微妙な空気感をうまく映像化していると思います。

おれが十代の頃にはまったあの少女漫画の世界観…この映画のこの感じ!です。

男の子とキスと着てる服が同格に並ぶ少女の不思議…ボンクラ男子には絶対理解できないな😁💦

あの線路の道…
ちょっと怖い木…
田舎の子供たち…
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