さちこ

「A」のさちこのレビュー・感想・評価

「A」(1998年製作の映画)
3.7
教材研究の一環として見た。星つけるのもどうかなと思うけど

オウム真理教の荒木を中心に話が進むドキュメンタリー。ドキュメンタリーだからもちろん現実に起こってることなんだけど、信者・公安警察・マスコミの発言がそれぞれ違った種類で強烈だった。いろいろ信じられない。

私たちが「オウム信者」と一括りにしてしまう人たちには、1人ずつに思想があり生活があり考えがあり、人権がある。そんな当たり前のことを映像として突きつけられた感じがした。

オウム真理教の問題、というより、マスコミのあり方とか、メディアを視聴者がどう捉えるか?という問題が描かれているのでは。公安警察の転ばせた論争みたいなのがすごく怖かった。相手を悪と決めつけて暴言を吐いて暴力を加えるのは見てて腹が立つ。
森達也はカメラ1つでずっと潜入?して映像まわしてインタビューして、あのタイミングでグッドナイトベイビー流して、いろいろすごい笑  FAKEもそうだけもエンドロール短すぎてこの映像すべて作り話じゃないんだもんな…ってなる。

なんかオウム側も可哀想とかそういう風に見せてるとかいろいろ意見あるみたいだけど、冷静に、自分がサリン事件の遺族とか被害者だったら責任取れよ目覚ませよ、と思うと思う。だからと言って信者に対して暴言吐いていいとかじゃないけど、これ見終わった直後の感想は、大量虐殺はだめ、どんな理由があっても人の命を奪ってはいけない。だった。そういうのを伝えるための映画じゃないと思うけどそれが前提に来る。正直何が正しくて何が間違いなのか分からないけどそれだけは自信持って言えるわ。
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