森達也監督のドキュメンタリー映画。オウムの信者側に立って、家庭用ビデオカメラで彼らを取材。
あの大きな事件の半年後、社会の中で人殺しカルト集団という印象を持たれていたオウム信者の現状を追った。監督自身が、本当に彼らは危険な人物なのか？という疑問を持って、信者の側に接触しているため、一般的なメディア報道を覆す内容となっている。
なんの前情報も持たなければ、善良そうな若者が公安に執拗にイジメを受けてるようにしか見えない。教団の解散を受けて、地方で暮らす信者達は、地域の人々にも受け入れられている。
彼らの信仰は理解し難い部分が多いが、それ以外は真面目で善良な市民にも見える。
森達也監督作品は現実を映し出しつつ、監督の意向がかなり強く入る傾向があると思うので、映像の内容をそのまま鵜呑みにも出来ないが、メディアの偏向報道に一矢報いる事には成功している。なにか一つの出来事が起こった時、一方向に偏る事なく、多方向から見ることに気づかせてくれる。ジャーナリズムの在り方を問う作品。
後、単純にあれだけオウムが恐れられていた中、恐れずに普通にアポを取った森監督のジャーナリスト根性がやっぱり凄いと思います。
