yuzu

「A」のyuzuのレビュー・感想・評価

「A」(1998年製作の映画)
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終末論で鑑賞。

幼い頃からオウムのドキュメンタリーをよく見させられていた。特段美しくもない(むしろ不潔そう)、妙ちきりんな話し方をするこのおっさんに何故人がそこまで吸い寄せられるのか調べても何を見ても分からなくて、これ見てもやっぱり分からなかった。ただ分かったのは、残った信者の人の純粋さ。どこにでもいそうで、穏やかで、丁寧に受け答えをし、自然に「尊師」の話をして風変わりな生活を送る。

「もし麻原が目の前で泣いて『全部間違っていた、許してくれ』と言っても信仰は変わらないですか?」という質問に「変わらないですね」と笑顔で答える人を見て、ますます訳がわからなくなってしまった。麻原を糾弾する本を平然と読んでる人がいたのはちょっと笑った。

だから、「麻原とは何者なのか?オウムとはなんなのか?」とかそういう答えを探したい人が見ても全然有益じゃないと思う。むしろ、当時のメディアがいかに乱暴で、イメージ先行の映像ばかり垂れ流していたかは手にとるように分かる。傲慢で不躾で、とても腹が立つ。あんたたちが散々まつりあげて見て見ぬ振りしてきたからああなったのに。マスコミ志望の人には是非見て欲しい。

社会や人について考え続けたいし、学び続けたいね
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