ギズモX

007/ゴールデンアイのギズモXのレビュー・感想・評価

007/ゴールデンアイ(1995年製作の映画)
4.9
【時代が生んだ落とし前】

FPSゲームで超有名な冷戦終結後初の007。
旧ソ連の秘密兵器ゴールデンアイを巡って、我らがジェームズボンドがロシアの秘密組織ヤヌスと対決するストーリー。

作風は古臭いが凄く面白い作品。
アクション面に関しては銃撃戦や大爆発が増え、007が戦車でドリフトしながら市街地を爆走するなどとにかく派手になった。
その様はまるでジョンウーやシュワルッツネッガーのドンパチ映画を彷彿させられる。
序盤の科学工場潜入シーンが一番のオススメポイント。

本作はキャラクターと設定が魅力的だ。
主役007は5代目のピアースブロスナンが演じるようになり、言動がとてもニヒルになった。
台詞回しとアクションの良さは一番女性受けするのではないだろうか。
かくいう僕もジェームズボンドといったらまず彼を思い出す。

そして本作の黒幕、元006のアレック扮するショーンビーン。
007と同じく影の道を歩んだ者としての雰囲気が素晴らしく、銅像の墓場での登場シーンは凄くカッコいい!
彼らしいとんでもない死に方するけど。

でも一番凄いキャラはやっぱりオナトップ!
90年代の洋画を代表する魔性の女であり、あれのすざましさは半端ではない!
ロシアの将軍ウルモフもキャラクターが濃い。
言動と姿が正にロシアって感じでロマンで溢れている。

物語は時代が産み落とした遺物達がその落とし前をつけるという、どこかシリアスさを感じる内容であり、新秩序の中でジェームズボンドだけでなく、作品自体が生まれ変わろうとする変革が描かれている。
90年代のスパイアクション映画を代表する傑作です。

【お国のためか?】
【いいや、自分の為だ】

追記

ゴールデンアイは何から何までゲーム的だった。
ストーリー展開。設定。キャラクター。そしてアクション。
最初から大人数を相手取るハラハラドキドキなスパイアクションが繰り広げられ、一番盛り上がるシーンをクライマックスに持ってこさせた。

FPS版「ゴールデンアイ」のストーリーが「トゥモローネバーダイ」や「消されたライセンス」「ミッションインポッシブル」だったのなら、あそこまでヒットしなかったであろう。
正にゲームな映画だ。
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