ペコリンゴ

ダウンタウン物語のペコリンゴのレビュー・感想・評価

ダウンタウン物語(1976年製作の映画)
3.6
記録。
禁酒法時代のチビっこギャング。パイを片手に鎬を削る。

…とても変ちくりんな映画だ。出演者は全員子供で大人は一切出てこない。『タクシー・ドライバー』と同年公開の本作にも当時14歳のジョディ・フォスターが出演。

劇中描かれるのは、太っちょサムとダンディ・ダン二大勢力が展開するギャング同士の抗争。血生臭い争いが繰り広げられ…いや、全然そんな事ないんだな(笑)

ギャングファッションに身を包んだ子供たちは本当にそれっぽくて演技も大人顔負け。目が慣れてくると彼らが子供だって事は全く気にならなくなる。

だけど銃から発射されるのは銃弾ではなくてパイのクリームだし、車もよく見るとキッズサイズに縮小されてて自転車を改造したような足漕ぎ式。

パイ塗れにはなっても死人は出ないので、ギャング映画が苦手な方も安心のミュージカル映画だ。

制作の意図がよく分からないんだけど、これはこれでなかなか面白いし、ミュージカルパートもよく出来てて楽しい。

ジョディ・フォスター演じるタルーラが妖艶に歌い上げる「My Name is Tallulah」は、しばらく耳に媚びりついて離れない名曲。もちろん必聴だ。