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ニキータのNMのレビュー・感想・評価

ニキータ(1990年製作の映画)
2.5
こういうラストだったか。シュールで嘘くさくなくて好み。これが最善の策。その後の二人が気になるところ。

重罪判決が下り、拘束され腕に注射を打たれる若い女。もう涙を流すことしかできない。
だが再び目覚め、そこにいた黒づくめの男が切り出す。「君にもう一度だけチャンスを与える」……。


3年経ち、粗暴な女から気品ある女への変化は驚き。ナチュラルなアイメイク一つで相当変わる。クスリ漬けだったようだが当然それも抜けただろう。
では別人になったのかと思うと、すぐ喜びすぐ泣く幼い様子は変わっておらず、自由自在の演技。感情が高まると昔の口調に戻ってしまう。
施設を出るときの目つきは、狼少女だった頃と全く違って人間味を感じる。相手の目をしっかり見つめていることは違いだろう。
奔放なところは残っているからこそポルコやターゲットに秘密を通せた。

冷徹にミッションをこなすのではなくパニックになりながらなんとかピンチを切り抜けていく様子が人気の秘密だろうか。それまでのスパイものとは違った作品で話題になったのかもしれない。
希望と絶望を何度も繰り返すので両方が余計際立つ。

美しいブラックドレスが、撃ち合いになるとバトルスーツに見えるのが不思議。

ボブはクールかというと、「なぜ冷静になれない!」と叫ぶようなブーメランを放っており、実はこの男も本当は人間味豊かだと予見させる。キスの後は目が泳ぎまくり激しく動揺していた。

外に出て、部屋を探したりスーパーで何を買えばいいかも施設で習ったのかなと疑問に思っていたら、人の真似をして買うという描写があって気に入った。じゃあ部屋も最初に見つけたものに決めたか予め見繕われていたかだろうと想像できた。一旦乗り越えるとその後矛盾があっても気になりづらい。

半年後初めての任務は軽いもの、次からの任務は自分で考えて実行するというレベルアップもリアル。
突然の指令とは言え、ライフルの組み立てを忘れておらず、筋力も衰えていないため、この間も怠惰な生活は送っていなかったことが分かる。
AUGにサプレッサーを付ける様子からこの後どんなミッションに当たるのか予想がつく。

アクションが派手過ぎず重力も無視せず観やすい。

PCや化粧品なども昭和の古さで良い。調理器具や、観光地のホテルの内装も古めかしい。
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