リバー・フェニックス演じるマイクは男娼として街に立ち、若い体を求める男を相手に日銭を稼ぎながら暮らしている。
一方、キアヌ・リーブス演じるスコットは男娼仲間であるが、家はお金持ちのおぼっちゃん。家庭に嫌気がさして飛び出してその日その日を遊んでいるだけにすぎない。
幼い頃に行方不明になったマイクの母親を探す為に、マイクとスコットはアイダホへとバイクで向かうことになる…。
とにかくリバー・フェニックスの繊細な演技と深みのあるあの眼差しがこの映画の良いところの全てを表現している。
自分にとってリバー・フェニックスは若くして亡くなったという情報があるからかもしれないけど、夭折してしまうような危うさを演技やその眼差しから感じ取ることができる。
今生きていたらどんな役者になっていたのかなと、野暮な空想を広げてしまうが、彼はもうこの世界にはいないので残念でならない。
でも彼の作品はいつでもどこでも、こうして今飛行機に乗りながらでも観るということは、亡くなっていないと同義かもしれないなと妙な事を考えてしまったりしている。
若い頃のキアヌの綺麗な表情も、金持ちが友達に対して急に冷たくするような視線もまた、後の大物俳優の片鱗を垣間見ることができる。
リバー・フェニックスとキアヌ・リーブス、二人の魅力を存分に感じ取れる映画。
どちらが器用でどちらが不器用なのか…。
万人ウケするような映画ではないけど秀作なのは間違いない。
余談だけど、
途中のセックスシーンが動画ではなく動画の静止画(伝わるかな)だったのが斬新。
飛行機で隣に座っていた右手にGUCCIの腕時計、(耳には真珠が三連に連なったピアスをつけていた赤毛のマダムには一応見えないように配慮した。