昔この映画を観ようと思った時は多分高校生ぐらいかな。
あらすじにあった「男娼」という言葉が、どうも手にしてはいけないものに思えて自主規制して、そのままになってしまっていて。
リヴァーとキアヌの若かりし頃を辿りたくなって、ずっと探していた映画。TSUTAYAにもなかったし、途方に暮れていたら、近所のGEOにありました。
「あった!」
思わず声が出た。灯台下暗しとはまさにこの事。
アメリカのポートランドで、相手が男でも女でも男娼として身体を売り、その日暮らしを繰り返すマイク(リヴァー・フェニックス)とスコット(キアヌ・リーヴス)。一見同じ境遇の二人だが、マイクはナルコレプシーを患い、日中でも耐え難い睡魔に襲われ、失踪した母の影に悩まされていた。反面スコットは市長の息子で、自堕落な生活も期限付きだと割り切っていた。
何を語るべきかって、やはり若き二人、特にリヴァーの美しさ。
これに尽きる!!
ドラッグの過剰摂取による心不全を起こし、23歳の若さでこの世を去った彼の在りし日の美しさ。
髪型も仕草も眼差しもタバコもサングラスもブーツも、カッコいいなぁ。これ、若い時に観たら影響をモロに受けるな。
キアヌも、薄汚いコソ泥連中に紛れながらも市長の息子であるという品格が確かにあって、役にハマっている。
ひたすら続いていく道。
流れていく雲。
冒頭から詩的で叙情的な描き方が特徴的。
オープニングもエンディングも、果てしなく続く道と、そこに立ち尽くすマイクを捉えている。
その道は未来へと続いているけれど、
マイクは母のいる家に戻りたい。
スコットはエリートとして再起する為の家に戻る予定。
家への回帰をテーマにしたロードムービー。
スコットはマイクの母親探しの旅に付き合ってはくれるが、戻るべき場所がある時点で、同じ様に見える二人の境遇は全く違う。
交わりそうで決して交わらない二人の人生が悲しい。
美しい映像、象徴的なショットで紡がれる物語はポエティックで、なかなかその意味を捉えるのは難しく、決して面白い映画ではない。
でも、何となくこの映画だけは観ておかなきゃいけない様な気がしたんだよなぁ。
マイクが射精する瞬間は空から降ってきた家が崩れるショットを挟んだり、セックスシーンは何故か静止画の様に演者達の動きを止めて捉えたり、ガス・ヴァン・サント監督のアーティスティックな一面は楽しめる。
何せ色々なメタファーが隠されている筈だけど、鮭の川登のショットは何を表しているんだろう…。
だめだ、全部はわかんない。
わかんないけど、リヴァーとキアヌよ!
若いって素晴らしい!!