みんと

マイ・プライベート・アイダホのみんとのネタバレレビュー・内容・結末

4.1

このレビューはネタバレを含みます

やっと鑑賞できたリヴァー・フェニックスの代表作。
いや~良い映画を見た~。

愛を得られず、失うものすらなく、ただただ今生きているという実感を得たいマイクと、若気の至りで通過点としてヤンチャをし、先を見据えるスコット。
お互い刹那的に生きているはずなのに、友情があるはずなのに、向かう先とこれまでの過去が違うから、奪いきれないスコットからの愛情。それを実感しながらも激しく求めるでもないマイクと、スコットなりの愛情で答える夜の焚火のシーンは忘れられない。
しかし、それと対照的なラストの葬式のシーン。攻撃的な表情でスコットを見つめるマイクと、落ち着いた表情でマイクを見つめるスコット。
光と影、頂点と底辺は交わりきらないという社会の虚しさを感じた。

地名の文字を映す鮮やかな単色、静止画のセックスシーン、マイクの孤独を際立たせるアイダホの情景、そして最後のHave a nice day。
「ザ・映画」を体感できた。
孤独で哀しい物語だが、誇張することなく、あくまでロードムービーという枠を超えず、若手俳優二人のリアルな若さや魅力に任せた作品という感じが良い。
みんと

みんと