このレビューはネタバレを含みます
アオリ文のフランス版『黄泉がえり』は上手いなあ。
いやーこんなに悲しい映画は久しぶりに観たかもしれない。悲しくて息苦しくて、切なくて。これ以上何も言えないし私の文章力では上手いこと書けないのが悔しい。
最終的に蘇生者たちは地下道の深い深い闇の中に消えていくのだが、生者の味わう二度の別れと蘇生者の味わう二度の死が本当にもう観ていてつらい。彼らの見ている世界は生前の"過去"であり、時の流れた"今"ではないということ。地下に逃れた人たちは蘇生者だけの社会で暮らしているのだろうか。
彼らがなぜ現世に蘇ったのかという理由は最後まで明かされないので、結局よく分からないまま終わってしまうのだが変に説明されるよりかはいいかな、と思ったり。
ラストの曇ったガラスを手で拭うシーンもやけに意味深に思えるが、あれはどういう…(理解力なさすぎ)。
淡々と描かれる日常的シーンは人によっては退屈さを感じるかもしれないが、印象に残る深い作品なのは間違いないだろう。