男はくらいよ監督さそり

男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼けの男はくらいよ監督さそりのレビュー・感想・評価

5.0
日本映画にこれ程完璧な作品がある事は誇りだ。これがシリーズで一番好き!何より宇野重吉の酔いどれ画家が最高!仙人みたいだ。
その絵を売りに行く古本屋の大滝秀治と寅さんのやり取りなんか名人落語の領域。全てのシーンが素晴らしくアンサンブル演技が完璧だ。
龍野の旅館でのやり取りは抱腹絶倒で日本映画の粋が全部込められている。渥美清の話術だけで引き込む魔術。
とらやの住人の息のあった一秒の狂いもない間、芸術であり娯楽映画の頂点。何度も方角変えてお礼する寅さんのラストシーンはシリーズ屈指の名シーンだ!
マドンナぼたんを演じる太知喜和子のバイタリティと芸者らしい色気。何回見ても笑えて泣ける完全無欠の一級品。スピルバーグへのオマージュまである!