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男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼けのtaroumanのレビュー・感想・評価

4.0
BSテレ東
第17作。これは名作。森川おいちゃん以降ではかなり上位の出来の良さ。
満男入学式でのひと騒動から宇野浮浪者とのご帰還。青観先生身バレ後は旅先で太地ぼたんと知り合って舞台はとらやに。そしてぼたん借金騒動からの逆転ホームラン。
前半の宇野青観は古典落語の抜け雀や三井の大黒をベースにしたもの。宇野重吉の飄々とした演技も抜群だが大滝秀治古書店主とのやり取りは名シーン。
しかし何といっても太地ぼたんの素晴らしさ。シリーズ一、二を争う名マドンナ。玄人筋のマドンナは浅丘リリーの評価が高いが個人的には絶対こっち。明るさと哀しみの同居が見事。
また男つらには珍しくお金の話が多い。が、そこは山田洋次、成瀬のような展開になるはずもなく安心して観ていられる。
男つらはシリーズが長いからこその継続性の面白さみたいなものもあるわけだが、逆に言えばポツンと見ただけでは魅力が半減することもままありがち。その点本作はシリーズから離れてこれ単独でも充分面白い。
「決まってるじゃねえか、所帯を持ちに来たのよ」と決めたセリフの落とし前はどうするのかなどと言いたいところもないわけではないが、シリーズ必見の一作で間違いはない。