バナバナ

ミス・ポターのバナバナのレビュー・感想・評価

ミス・ポター(2006年製作の映画)
3.6
イギリスの階級社会の厳しさがよく分かる内容でした。
お金持っててもダメなんですよ。
議員になって、上流階級(貴族階級)と付き合えないとダメなんだって!

ミス・ポターって、すっごいお嬢様だったんですね。
それなのに、当時の女性には真の自由は無かった。
これが貴族階級だと、結婚しながらお互い愛人がいるのは当然で、相手の不実を非難したら反って野暮だと思われて、サロンやパーティから爪弾きにされるんだから、同じ国だとは思えないですね。

現代でもそうですが、女性が自由を手に入れようと思ったら、ゲスい言い方ですが、“金”なんですね。
ところが、一般人が急にお金持ちになったら、ゲッスい使い方を普通はするもんですが、ミス・ポターは当時から自然にナショナルトラスト運動をしちゃってるんですね。
やっぱり凡人とは違いますね。

後半に出てきたウィリアム・ヒーリスさんを見てると、幕末に19歳で日本に来たアーネスト・サトウさんもこんな人だったのかな…、と勝手に思いました。
ヒーリスさんも身分がミス・ポターより低いから結婚を反対されたそうですが、サトウさんも貴族階級出身じゃないから、赴任先の言語をすぐ覚えて仕事がよく出来ても、中国の副公使止まりだったんですよね。
それで引退後は、出身地の田舎でひっそり暮らしたとか…。

イギリスってジェントルマンの国とか言われますけど、昔もそんないい国じゃなかったんですね(湖水地方の景色は素晴らしかったけど)。
イギリス近代の雰囲気がよく分かって、面白かったです。
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