ちろる

ミス・ポターのちろるのレビュー・感想・評価

ミス・ポター(2006年製作の映画)
4.2
子供の頃ワクワクして読んだピーターラビットの絵本。
そのピーターラビットと仲間たちが紙から飛び出して動き出すなんて嬉しすぎて始まりからニヤニヤしっぱなしでした。
あの憧れのイギリスの田園世界の物語の裏にこんな切ない恋の物語が隠れていたなんて、、ますますピーターラビットの世界が愛おしく感じられそうです。
ピーターラビットたちの生みの親ビアトリクス ポターは上流階級の家に生まれた上に30代後半まで独身を貫き、超がつくほどの「箱入り娘」。
彼女は学校にも通わなかったので、お友達が絵に書いたウサギやアヒルやハリネズミたちだけで少女がそのまま大人になってしまったような不思議ちゃんなのですが、これがさすがレニー ゼルウィガーが嫌味なく愛おしい感じで演じてくれています。
ステキなドールハウスがある部屋で召使いがなんでもしてくれる英国貴族特有のちょっと憧れの生活ですが、なにもかも遮断されて育った感性豊かな彼女がある日自分の描いてきた絵を認めてもらい、精神的にも、社会的にも自立して大きく解放される様子がとてもドラマティックに描かれていました。
ビアトリクスと恋に落ちる箱入り息子の編集者ノーマンを演じたユアン マグレガーがとってもキュートで、彼女に優しく歌うシーンを見たら、あぁ、私やっぱ彼の歌声いい!とムーランルージュの時以来の彼へのトキメキが再来しました。
彼との切なすぎる駅でのキスシーンもたまらないですが、個人的にはミリー役のエミリー ワトソンの存在感と、深い女の友情が最高に好き。
箱入り娘ビアトリクスの解放の物語がとてもキラキラして見えたのはきっとこの作品で描かれるビアトリクスの周りを取り巻く人たちのキャストが短いシーンでもとても良く描かれていたからなんだろうなと思う。
WOWOWでやってなかったらノーマークだったこの作品、この時代の女性の作品がたまらなく好きな私に取っては掘り出し物見つけた感がありました。
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