じゅんP

日本のいちばん長い日のじゅんPのレビュー・感想・評価

日本のいちばん長い日(1967年製作の映画)
4.2
(いいやつとわるいやつが安易に色分けされ過ぎてないかなってのは引っかかるものの)痛切に描かれる、環境が易々と人をつくる・変えることの恐ろしさ。

俯瞰で見られる余裕のある視点で、個々人の行動の是非を問うことは簡単だけど、じゃあ自分がその大局の只中にあったなら(正しい)選択を続けられるかなんてわからないなと。

縋りたいものに縋れるほど楽なことはないし、「これ」が損なわれたら、自分もしくは自分が属するどこかそのものが失われてしまう、という危機感の「これ」を見誤る事も幾らでもあるだろうし。

善きにしろ悪きにしろ、誰もが”国体の護持”なるものを目指してるはずなのに、その言葉が指すところ=目指すべきところが統一されてなくて、そこに”国民”が不在のやつほど行動がズレていく。

そしてズレてるやつほど、喫緊で問われてる選択の如何とは異なる論点で自分の行動を正当化していて、その結果、どう見てもきな臭い方向に向かってしまうあたりは戦時下か否かと関係なく、今の社会に通じるものもあって、もやっとする。
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