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日本のいちばん長い日のshinefilmのレビュー・感想・評価

日本のいちばん長い日(1967年製作の映画)
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遠い昔に観て以来。原田眞人版に続き再見。原田監督は「阿南さんの魂の相剋(そうこく)の描写も物足りなかったし、軍人は坊主でもなく不満を感じた。完全な映画化とは言えなかった」とインタビューで述べていたが、映画全体においての魂のぶつかり合いや熱量に関しては圧倒的に岡本喜八版が良かった。本気な人達しか映ってない。まるで1945年8月の熱気が伝わるよう。黒沢年男演ずる将校の国を想う愚直なまでの純粋さ(日本軍の教育によって育まれた精神性)に狂気と同時にどうしようもない哀しみを感じ、三船さん演ずる阿南さんの日本を見据える最期の言葉に胸が震えました。そして日本映画黄金期を支えた名優たちの顔と顔、オンパレード。その存在感たるや。日本映画における重要な遺産のような作品でした。
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