えりみ

日本のいちばん長い日のえりみのレビュー・感想・評価

日本のいちばん長い日(1967年製作の映画)
4.6
WOWOWで1年前に原田眞人版をみたときに初めて知った「岡本喜八版」の存在。1年経ってやっと放送してくれました。「シンゴジラ」にも影響与えてるとか、確かにそんな感じ。
東宝創立35周年記念作品。
モノクロ映画は眠たくなるので苦手ですが、さすがにこれは寝ない。
始まって20分かけて12時の時計のアップの後に出てくるタイトルに「おぉ~!」と。タイトルに即した8月14日12時~8月15日12時までの24時間を描く作り。という点で原田版より分かりやすい。
内閣の一致をみてひと段落、と思いきや時計はまだ夜の11時てみた時は「まだ半分!?」でドキドキしたもの(内容知ってるのに)。
原田版の方がより抒情的なのとカラーだけあって美術に目がいった。岡本版は後半狂気がどんどん加速していく様がシンプル。
話の展開は同じ原作で史実に基づくので大体同じ。
キャストの豪華さも同じ。阿南陸相に三船敏郎、鈴木総理に笠智衆。
こちらでは昭和天皇は極力映さないように演出されている。時代がまだそういう感じなんだろうと思う。これはちゃんと出番のある原田版の方がいい。
原田版では大きく取り上げられていた東条英機が岡本版では存在感なし。
原田版に無かった?横浜の部隊が目を引く…あのイカレた隊長、天本英世なの(ノ゚ο゚)ノさすが死神博士!
畑中少佐役の黒沢年男は小物感、佐官に見えない。声もまだ全然渋くないし。
彼より高橋悦史(井田中佐)のほうが光ってる!
森師団長の首がゴロンすると思わず吃驚!
阿南陸相の切腹をたっぷり引っ張って存分にみせるのはどっちも同じ。
こちらは介錯無用で血がブシャァァーーーーッ
青年将校が腹を切らず拳銃であっさり自決する様も一緒。
最後の玉音放送を全部聞かせないのも一緒とは(ナレーションとテロップ被せて終わり)。

五・一五事件や二・二六事件は歴史の授業で勉強したのに、終戦直前のクーデター未遂ともいえる宮城事件は教科書に載ってなかったような…今の日本史の教科書ではどうなってるのかな?
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