好むと好まざるに関わらず観ておかなければいけないなと、義務感というより強迫観念にかられて観た感じと言えば大げさか。
ちょうど一年前に2015年度版を観て、やっと1967年度版を観てみた。
起きてしまった、いや起こしてしまった戦争をどう終結させるか、どう落とし前をつけるかを実話に基づいてリアルに描く。やはり白黒って逆に生々しい。そして仲代達矢のナレーションが【肉弾】でもそうだったけど静かな恐怖感を私に与える。
多くの犠牲と敗北を目の当たりにしながら、まだ戦おうとする若い軍人の狂気を孕んだ演技が過剰だと思ったけど、もうまともじゃないのだ。何を言ってるかわからないぐらいまくしたてるが、そういうものかもしれない。
自分の信じたものに向かう時、人は全く盲目的にその使命感において殺人も辞さなくなるのか?そして本人は崇高な理想論において全く無垢であり、その理想に殉じる。それによって生じる犠牲は必然と考える。昔も今もあちこちで起きる現実。
横浜から民間人を集めて総理宅を襲う天本英世の怒声が頭から離れない。