このレビューはネタバレを含みます
なんという映画、、。
緊迫感。
威圧感。
焦燥感。
ジリジリとむせ返る真夏の太陽のような、この時代の温度を肌で感じることができる。
日本のいちばん長い日。
それは昭和20年8月14日から8月15日までの24時間だ。
日本はポツダム宣言を受諾するのか否か。
天皇の立場はどうなるのか。
そして、終戦に反対する一部の陸軍のクーデター。
「日本帝国の葬式」という台詞が心に残る。
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原田版の時にも書いたことだが、この時代を生きていなかった我々には、もう戦争責任を謝罪する義務はないと思う。
しかし、何が起こっていたのか、知っておく義務はある。日本の陸軍とは、どういう組織だったのか。どういう考え方をしていたのか。
なぜ戦争が始まり、どのように終結したのか。
我々にはそれを知っておく義務がある。
P.S.
原田版もよくできた映画だったと思うが、本作と比べられるとどうしても不利だ。本作は凄すぎる。
しかし、この映画は令和の時代にもまた作った方がいいと思う。誰が批判しようが、この日の出来事は忘れないほうがいい。終戦100年の2045年でもいい。
頼んだぞ!未来の勇気ある監督さん!
公開:1967年
監督:岡本喜八
脚本:橋本忍(『羅生門』『七人の侍』『白い巨塔』)
出演:三船敏郎、笠智衆、宮口精二、志村喬、黒沢年男、松本幸四郎(八代目)、仲代達矢(ナレーション)