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L.A.大捜査線/狼たちの街の和のレビュー・感想・評価

L.A.大捜査線/狼たちの街(1985年製作の映画)
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奇しくも本作と同時期に三池崇史監督の初期傑作"新宿黒社会"を鑑賞したのですが、双方ともにアウトロー刑事ものである上に作品に危ない空気が漂う傑作でした。

本作は北野武初監督作品である"その男凶暴につき"の元ネタとして有名な作品です。死を恐れぬ恐ろしい刑事という類似点以外にも目まぐるしいチェイスなど元ネタとしての要素を感じられます。ただ"鬼火"から挿入歌やスピード感を拾った北野監督作とはやはり明確な違いの方が感じます。

刑事モノにも関わらず正義がどうのこうのという作品では全くなく、個人的にどこか近しい雰囲気を感じるのがゴダール監督の"勝手にしやがれ"。この人間が持つ情熱やエネルギーをスピーディーな映画へと伝染させる様が物語は全く異なるにも関わらず、どこか近いものを感じます。

今年の夏に世間を再び盛り上げた"孤狼の血"なんかに心が震えた方などにも本作を強くお勧めしたい一本。
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