湯っ子

ハンナとその姉妹の湯っ子のレビュー・感想・評価

ハンナとその姉妹(1986年製作の映画)
3.8
多分、20年前くらいに観てるんだけど、ほとんど覚えてなかったので、ほぼ初見かな。
いや〜、面白かった!

不倫、家族の確執、(この頃はなかった言葉だけど)モラハラな恋人など、本当はドロドロしたテーマなのにカラッとさらりと描くのがウディ・アレン。
会話、画の撮り方、音楽…全てが小気味良く洒落ていて、湿度を感じない。これがニューヨークの空気なのかしらん。

登場人物たちの人間模様も面白くて、誰にも感情移入せず、流れるような会話に惹きつけられるまま、ニューヨークを右往左往する彼らを眺めていられる。

あるあるもいっぱい。
そういえば、やたら本や映画をお勧めして貸してくれた男の子っていたなあとか、
女2人の男1人で行動してるとなんか張り合いたくなっちゃうんだよなあとか、
私のが彼と話が弾んでると思ってたのに、その後彼からのアプローチがあったのはもうひとりの女の子だったとか、その逆のパターンとか。

マイケル・ケイン演じるエリオットは、典型的な浮気男だけど、なんだか笑えるし、ウディ・アレン監督演じるミッキーもいつも通りのあのキャラクターで、イラっとさせながらも憎めない。

ハンナたち三姉妹と夫たち、実はかなり入り組んだ関係になっているのに、最後はなんとなくおさまるところにおさまって。
ミッキー演じるアレンが、ダイアン・ウィースト演じるホリーにチュウチチュウしまくってるところは、どうしても例のセクハラ騒ぎが頭に浮かんでしまったけど…
作品に罪はない!

ウディ・アレンが演じるキャラクターは、いつも神経質で悲観的だけど、作る映画は楽天的で、人生の喜びに満ちている。
彼本人の騒ぎが真実かどうかはわからないけど、私は彼の作品を楽しみたいなと思う。
湯っ子

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