ルイまる子

ハンナとその姉妹のルイまる子のレビュー・感想・評価

ハンナとその姉妹(1986年製作の映画)
5.0
この映画一度10代のときに観て、テーマが本当に深いなと思ったものだった。そして40代の今、改めて観てみました。結果わかったこと、それは、その年齢年齢によって感じ方とはこんなに違う物かという事。

以前観たときの印象として残っているのは、長女のハンナのとても無神経な言葉の数々。何をやっても続かず問題の多い次女に対し、実はハンナは頭から馬鹿にしている。どうせ出来る訳ないと軽蔑しているので、言葉の端々にそれが出る(その辺の描き方が絶妙。)その割に金銭的な援助はする。それが実は次女を駄目にしているのに、本人は全く気づいていない。又、夫エリオットに飽きられているのは、実はそのしっかりしていて無神経なところなのだ。

以前は長女を始め、夫々の性格の違いから起きるトラブルが結局長女のせいだという部分ばかりが見えていましたが、今日観て、長女の気持ちも理解できたし、次女の悪いところも見えた。又エリオットが三女のリーに対し、どきどきが押さえきれなくなるあたりもよく理解できるし、かなりの独り相撲で思春期の少年のように色々妄想するあたりもわかる。その合間合間にウッディアレンが出て来て、僕は死ぬんだ〜と病気恐怖症でもうだめだ~~!と絶望したり(どこまでも自分個人を押し出すウッディ・アレン監督)最後に色々悩んで来たが、人生とは楽しむ物だ、と自分に言い聞かせたり...お腹を抱えて笑いつつ大事なことを教えてもらえる、大人のドラマです。

(Yahoo映画から転載 2010年1月24日視聴)
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