Pegasus

弓のPegasusのレビュー・感想・評価

(2005年製作の映画)
4.2
「いや〜〜なんかスゴいの観ちゃった〜」
これが鑑賞後に思った一言。
上手く言葉には表せないけど、しみじみと心に染みるような感覚。古文でいうなら「いとをかし」(趣深い)がピッタリな作品だと思う。
リアル路線ながらもファンタジー味もあって不思議な感じ。

とにかく作品に漂う雰囲気が素晴らしい!!
微笑ましくもありながら張り詰めた緊張感があってスローペースな映画だけれども目が離せない引き付けがある。
その引き付けの中心は、あの妖精でもあり魔女のようでもあるハン・ヨルムの存在感が成している。
一回も喋ってないのに脳裏に焼き付いてしまう可愛くも少し不気味な笑顔。
なんかぶワーッて取り憑かれたような気分にさせられる。

簡単に言えばロリコンのオヤジから少女を連れ戻すって話なんだけど、不思議と気持ち悪さは感じず、むしろ全てのカットが美しく目に映る。
奇妙な2人の関係も常にカメラ目線の表情が全てを表していて、しみじみと感じ取ることができた。
ラストあたりはもう訳分からん展開だけど、それすら美しく映るし不思議と説得力があるんだよね。
やっぱり映画って現実的かどうかよりも監督の描きたいビジョンを如何に映像として表現できるかが、大切だし面白くもあるな、と再確認できた。

今このレビューを書きながら、自分の語彙力に失望しているのだが、どうあがいたって上手くこの映画を表現できる言葉は思いつかない。
不思議で奇妙な語彙力喪失映画でした。
Pegasus

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