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鬼婆のRのレビュー・感想・評価

鬼婆(1964年製作の映画)
5.0
鬼婆!!! 衝撃的な面白さ!!! こんなすごい映画があっただなんて! 昔話と伝説を融合させた夢幻のような寓話が、全編に漲る異様な緊迫感のなか展開してゆく。鎌倉から室町へと移行する、足利尊氏と楠木正成が戦を繰り広げていた南北朝時代、背丈より高いすすきが鬱蒼と茂った草叢の中、草で覆った掘建て小屋の中に住んでいる激しいオバさんと、戦に出てった息子の嫁。貧しいふたりは、草むらに迷い込んでくる死にかけの負傷兵が死ぬのを待ち、時には殺し、身ぐるみ剥がしてそれを粟と交換し、何とか糊口をしのいでいる。このおばさん、雰囲気がすさまじく、白髪混じりのボサボサの髪に、いじわるそうに腐りきった表情、いつも片乳丸出しで、剥き出しの生活をしてる。息子の嫁は体育会系の活発な若い女で、体力のいる仕事は彼女がし、夜にはふたり並んで雑魚寝して、グースカいびきをかいている。まるで餓鬼のような生活だ。そんな二人のところに、息子と戦に出てった近所の若者ハチが逃げ帰ってくる。きくと、息子は逃げられず、殺されてしまったらしい。ハチは少し離れた掘建て小屋にひとり暮らしを始めるのだが、熱に浮かれた性欲がむらむらむらむらむらむらむらむら高まってたまらなくなり、気狂いのようにのたうち回る。そういうのって、ちょっとシコシコしたらマシになるんだよ……と助言したい気持ちを抑えて、そのままじっと見ていると、オババの嫁を誘惑し始めるではないか。すると、嫁も、性欲がうずき始め、うずきまくって、ヤリたくってしょうがない、むらむら、むらむら、ムラムラムラムラ!!! 嫁、ハチの小屋に走る! 走る! 走る! 走る! そしてついにファーーーーーック!!! 汗にまみれて獣のように貪り合うふたり! その臭そうさといったら! オエップ。そしたらそのことに気づいたババアが、おい、ハチ、オレともヤっとくれ。ババアはヤだよ。オレともやっとくれよ! やなこったい! きいいいいいい!!! くっそーーーこのままではハチに息子の嫁が取られてしまうーーーー!!! で、二人の仲を邪魔しようとするのだが……という地獄のような話で、ここまでだけでもとんでもない面白さ、え? え? こんなに面白い映画あり得たん⁇ ってはぁはぁ言いながら見ててんけど、こっからさらに面白さが突き抜けていく!!! ビックリ仰天!!! クライマックスでは思わず、すげええええええええええええ!!! と大声で叫んでしまったよ! ハチがクソババアアアアアア!!! と叫んでたみたいに! 話の圧倒的な面白さに加えて、陰翳の深いおどろおどろしい白黒の映像がすごい! 草に覆われた闇のなか浮かび上がる人物、とりわけババアの姿は映えまくってる。演じてる乙羽信子、凄すぎる!!! 唯一無二のすさまじさ! 日本にこんな女優がいたことが信じられん!!! 最高!!! そしてあともうひとつ、夜闇に真っ白に浮かび上がるあの恐ろしい姿!!! ひいいいいいいいい!!! ひいいいいいい!!! 好き過ぎるーーーーーーー!!! からの、とれなーーーーーーい!!! こえわいいいいいい!!! ひいいいいいいいい!!! 角度によって様々に変化する、苦悶の鬼婆の表情に、全カット、狂おしい興奮に呑み込まれた!!! さらにそれを煽るアヴァンギャルドな打楽器のドンドコドン! ドンドコドン! ドンドコドン! ドンドコドン! ボクの本能を…これ以上…揺さぶらないで…ガクガクブルブルブルガタガタピクピクピュッピュッ!!! こんなに血の騒ぐ映画ホント久しぶりに見た! オレもまだこんな気持ちになれるんだ😎!と分かって心の底から嬉しかった! 全力でオススメです!!!
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